富士通レッドウェーブオコエ桃仁花選手

オコエ桃仁花選手は新しい時代のロールモデルになる。それは時代のヒロインだ!

「ハーフ」という言葉を番組で連発するのは如何なものか…

今回の番組制作の現場では、そんな話が議論になった。国籍や人種や肌の色で差別や偏見が問題になる中、デリケートにならざるを得ない。しかし、オコエ桃仁花選手の話には、二つのルーツを持つ誇りと覚悟が感じられ、本当に素晴らしかった。それは非常に意義があることなので放送に生かしたいと考えた。

優しくて強いオコエ選手の人間性はご両親が育んだものだと思う。そう思わせるのが高校3年生の時、オコエ選手が膝を故障して、チームは目標としていたウィンターカップに出場できず敗退した時の話。この時、オコエ選手は大きな挫折感を味わう。その時ご両親から、お父さんの母国、ナイジェリアへの旅行を勧められる。初めて訪れた自身のルーツの国で、環境の整っていない中で一生懸命バスケをやっている子達を見て、凄く心が打たれたという。「裸足でやっている子もいれば、ボロボロの練習着を着てやっている子もいれば、バスケットボールのネットのない中でシューティングを一生懸命やっている子もいて、自分のバスケットに対してのハングリー精神っていうのを考えさせられて、幸せな場所でやれているかってことに気付いた。」その時、お母さんに勧められて始め、続けてきたバスケットボールが本当に好きだって実感したという。ご両親の意図したことは知る由もないが、見聞を広める中でオコエ選手は人間として成長。選手としても飛躍する切っ掛けを得たと思う。

こんなこともあった。2020年、アメリカから始まった人種差別抗議運動、ブラック・ライブズ・マターが始まった時のこと。オコエ選手の兄、プロ野球楽天のオコエ瑠偉選手が子供の頃の体験をツイッターで告白した。それは、保育園である日、親の似顔絵を描く際、先生から顔は肌色で塗りましょう、といわれた。瑠偉少年は反抗心からか涙ながら茶色のクレヨンで顔を描いたというもの。このツイッターに桃仁花選手はリツイート。大きな反響を生んだ。

この時のことを振り返って「同じハーフの子供を持つ親の方から、是非発信して、私達家族も救われますっていう言葉をいただいて、今同じ状況で肌の色で悩んでいる子供達、自分達が子供の時にいなかった存在、そういう存在がいたら自分達も凄く自信が持てて生活出来たよねっていうのを話して、やっぱり自分たちがその先頭を行かなきゃいけない、嫌われるのを恐れずに救われる子達の為に発信しようっていうのを話して発信しました。」人間的な強さは優しさが生むものだと教えられる話だ。

残念ながら、差別や偏見はなくなっていない。でもこれだけは言える。オコエ選手はそれを変えられる存在だ。ロールモデルとなり、新しい時代の象徴となって欲しい。

                   モリタニブンペイ