top of page

マラソンランナー神野大地選手登場!


神野大地選手の再び人生を変える走りが見たい!


「箱根駅伝はマジで人生変わるよって思っています。」三代目山の神と呼ばれ、人生を変えた男が言うのだから間違いない。神野大地選手は青山学院大学3年生だった、第91回箱根駅伝山登りの5区で1時間16分15秒という驚異的なタイムで、2位の明治大学に4分59秒の大差をつけ、青山学院の大学史上初の往路優勝に貢献した。「山の神」とかけたようにアナウンサーは「山の神野」を連呼、

駅伝ファンの記憶に強烈に焼き付いた。

山の神となった走りは、神野選手にとっても特別な走りだったという。

「僕もあの時の走り、もう1回あのペースで走ってみろと言われても走れないんですよ。本当にめちゃくちゃ調子が良くて、自分がタスキを貰った位置もめちゃくちゃ良くて、青学も初優勝ってところで、自分が2位から1位に押し上げるっていう気持ち的にも乗ってくる、本当に全ての全てが重なってあの記録が生まれたんで、強い選手が走れば結果が出るよっていうのあると思うんですが、山の神になるためには、もう全部が揃わないと運もあると思うんですけど、そこも揃わないとなれないと思う。」まさに神憑っていたのだ。

他の山登りの選手がコマ送りに見えるような異次元の走りを見た僕らは、このままどこまでも走っていけそうな神野選手に夢を見た。とんでもないマラソンランナーになるのではと。しかし、2度目の人生最高の走りは、なかなか訪れなかった。プロ転向後なかなか思うような結果が出ず、昨年12月の福岡国際での途中棄権。続く今年2月のびわ湖毎日も142位と惨敗し、どん底を経験した。

あまり名前を聞くこともなくなった期間、神野選手は地道な努力を続けていた。コーチも付けた。メンタルトレーニングも始めた。そして初マラソンから4年、ついに彼が歩むべきサクセスロードにコース復帰する。今月19日に行われた防府読売マラソンで、優勝したドミニク・ニャイロと同タイムの2時間9分34秒で2位となり、2024年パリオリンピックマラソン代表選考会、マラソングランドチャンピオンシップの出場権を獲得したのだ。「終始余裕もありましたし、後半の勝負へのワクワクっていうのも、後半になるにつれて高まってはいたので、マラソンの楽しさってこういうことなんだなってことも強く感じました。」

まだ箱根の坂で感じた「楽しさ」には達していないだろう。しかし、三代目山の神で止まっていたドメスティックな時計が、パリ行きの世界時計に変わって動き出した。神野選手の二度目の人生を変える走りを楽しみに、応援したい。オリンピックのメダルには間違いなく人生を変える力がある。

                  モリタニブンペイ



bottom of page