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ウィンドサーファー新嶋莉奈選手

目指すは風に左右されない強い選手!

鎌倉出身の新嶋莉奈選手が海のヒロインになる日はもうすぐだ!!

鎌倉出身のウィンドサーファー新嶋莉奈選手は今年4月にはセーリングの国際試合フレンチオリンピックウィークで銀メダルを獲得し、パリオリンピックでの活躍が期待される存在となった。

しかし、新嶋選手は今、意外な向かい風の中にいた。パリオリンピックで採用されるIQフォイル級はボード下に取り付けられた水中翼によって、走行時にボードが水面から浮き上がる。より大きな浮力が得られ、スピードも上がる反面、ボードをコントロールする選手には新たなスキルと増量が求められる。IQフォイルでは70キロ前後が適正体重となるからだ。華奢な新嶋選手は太るために無理しては体調を崩して逆にやせてしまうことの連続だというのだ。そんな状況でも銀メダル獲得してしまうのだから、技量は相当なものだ。

新嶋選手の軽量が武器になることもある。体重が軽い方が弱い風でも進むのだ。しかし、風が弱すぎると大会は競技中断になりがち。「私が1位のレースとかが、よく中止になることが、風無さ過ぎて。」。屈託なく笑う表情からは、4歳でウィンドサーフィンを始め、「当たり前すぎて、ご飯のようなもの」というウィンドサーフィン一家に育った、波も風も人生の一部という達観が感じられる。

そう、新嶋選手は風を運のせいにはしない。ウィンドサーフィンにおいての風の運は10パーセントぐらいだという。「本当にたまに本当にラッキーな風がきて、50番ぐらいから突然10番ぐらいにジャンプアップしたり、その逆もある。でもトップ選手とかは、そういう中でもちゃんと対応してしっかりまとめてくる。」目指すは風に左右されない選手なのだ。

新嶋選手には風をも物ともしない強い信念がある。東京オリンピックのセーリング会場が地元神奈川の江の島と決まった時、小学生。20歳で迎える東京オリンピックは「私のためにある」と思ったという。自らが約束の地とした舞台にたどり着けなかったことは、パリオリンピックを挑戦からリベンジに変えた。そう、新嶋選手は負けず嫌いなのだ。

さらに新嶋選手には追い風となる応援団がいる。ウィンドサーフィンの道に導いたご両親や所属先の人達だ。「やっぱり応援してくださる方々の事を考えると、何か私だけの夢ではないなって凄い感じている。」ボードに乗っているのは一人でも新嶋選手の夢は、もはや同乗者のいる大きな船なのだ。

これからもいろんな風が吹き、荒波もあるだろうが、さわやかな笑顔を浮かべながら新嶋選手なら逞しく前に前に進んでいくだろう。海のヒロイン誕生は近い、そう思った。

                  モリタニブンペイ

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