top of page

パラ陸上・兎澤朋美選手

共生社会の実現のためには障がい者の意識改革も必要!

パラ陸上・兎澤朋美選手が創るのはレガシーじゃなく、未来だ!!


パラリンピックのレガシーとしてよく耳にする共生社会の実現には、健常者の理解促進の大切さが強調されるが、障害を持った方の意識改革も大切なんだという兎澤選手のお話、はっとさせられた。障害を持った方がもっともっと積極的に、行動的に社会に出ていくことで、社会の意識が変わり、スタンダードが変わっていく。

「私が海外遠征先で感じたのが、街に出てる障がい者の数が日本は少ないということ。例えばドイツ。物理的なバリアフリーは日本の方が整っていて、ドイツの駅はエレベーターもエスカレーターもなくて階段しかないみたいな所も多かったりするんですけれども、人が当たり前に助ける雰囲気がある。それは健常者、障がい者だけに関わらず、ベビーカーを押している方だったりとか、後はお年寄りの方だったりとか、後は全然本当に若い方でも凄い重そうな荷物を持っていらっしゃる方がいたら、あ、持とうかとか、そういう風な声掛けが当たり前に出来て、当たり前に助け合えている。障がいある人達も街に積極的に出ていくことで、健常者の方の目に触れる機会っていうのも増えていくと思いますし、必然的に目で見る機会が増えれば、そこに対して特別視するっていう風なことは薄れていくんじゃないかなっていうのは凄く感じてます。」

障がいを持った方が街にどんどん出ていくためには、自分自身の心の壁をまず乗り越える必要がある。兎澤選手ご自身も骨肉腫で小学校5年生の時に足を切断した後、4年以上義足であることを隠していたという。それが中学校卒業する直前に仲のいい友達に打ち明けたら、友人たちは何事もなかったように受け入れてくれた。その時、苦労して必死で隠す必要なんて全然なかったわけだ。

そして中学生の時、競技用の義足の体験会に出て兎澤選手の運命が変わる。「数年ぶりに自分が走ることで風を感じた時の気持ちよかった。」この体験を話している兎澤選手は、その時感じた風を受けているような晴れやかな表情をなさっていた。さらに兎澤選手と同じ様に義足の体験会に出た人が、諦めていたことの可能性に気付くという話をされている時は、自分事のように喜びにあふれた表情をしていた。

パラスポーツをすることで世界がどんどん広がっていくことを実感した兎澤選手がもっともっと活躍することで作っていくのはレガシーじゃなくて、多くの人の未来なんだと思った。

兎澤選手のお話、何かしらハンディキャップを持っている方、ハンディキャップはなくても自分の可能性を諦めている方に届くといいな、そう思う。

                モリタニブンペイ

bottom of page