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東海大学水泳部・加藤健志ヘッドコーチ

愛と情熱!瀬戸大也選手とパリを目指す

東海大学水泳部・加藤健志ヘッドコーチは選手以上に熱い人だった!!


まず加藤健志さんの熱量に圧倒された。東海大学水泳部加藤ヘッドコーチの練習は質量ともに物凄いことで有名だ。辛いトレーニング、歯を食いしばってコーチの指導に付いていくには、コーチへの絶大な信頼がなければならない。加藤コーチは、選手自身と同じ、いやそれ以上と思えるほど世界一を目指していた。この熱が選手の心に電波して、あのトレーニングを自ら進んでやるのだろう。加藤コーチが出逢った時から「世界一になれる」と言っていた金藤理絵選手が、その気になってから1年も経たずにリオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲った理由がわかった気がした。

その加藤コーチの哲学は選手への愛だった。「僕のコーチングはとにかく選手に可能性しかないんだよっていうことを伝えたい。科学的には、伸びないことの方が証明出来ない訳です。柔軟性だとか筋力だとか持久力だとか、後はテクニック、もう伸びないことなんて全くないんですよ。」

メダリストを育てるコーチには、他の選手の指導はせずに、メダルを狙う選手だけマンツーマンで指導する人もいる。加藤さんは違う。メダリストを育てる前に教育者だ。「やっぱり人間っていうのはひとりでは生きていけないし、あらゆる良さを出し合うと、ひとりでは頑張れないことが頑張れるし、後は、速い選手だから速い人とばっかりやってても、なぜ速いかが分かりかにくくなるんですよ。遅い人を速くするっていうことを教えることで、自分の中の気づき、うまくいかない時にどうやるとうまくいくんだろうというアイディアの幅も広がる。」

加藤さんは日本代表ヘッドコーチを務めた世界短水路選手権で、これまでの競泳界の常識、金何個、銀何個、銅何個とメダルの数を目標に掲げることをせず、「全員ベスト出そう」と言った。「それは全員が出来ることなんです。例えば日本チームで金メダル何個獲るぞって言ったら、えっ私関係ないって思っている日本代表が存在するんです。だから自己ベストを出そうと言ったんです。」結果は日本記録が8つ、アジア新記録が4つ。そして決勝進出者は何と32レース。自己ベストが全員の中の30%、3人に1人がベスト出した。

愛に溢れる加藤さんに救われた選手もいる。東京オリンピック前に自らの不倫スキャンダルで一時は泳ぐ場所さえ事欠いた瀬戸大也選手である。加藤さんは週刊誌に記事が出たその日に電話して直接叱った。そして目標にしていた東京でメダルゼロに終わり、目標を失いかけていた瀬戸選手に声をかけた。今、瀬戸選手は東海大学でコーチをしながらパリを目指している。それこそ死に物ぐるいで。加藤コーチの愛と熱が伝わった瀬戸選手は以前とは別の熱量がある選手になっていることだろう。頑張れ、瀬戸大也選手!それが熱を貰った僕も瀬戸選手を応援せずにはいられなくなった僕の結論である。

             モリタニブンペイ

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