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横浜Fマリノス・宮市亮選手

苦難、試練を乗り越える

負けない男・宮市亮は紛れもないスポーツヒーローだ!

横浜Fマリノス・宮市亮選手はあの時、引退を考えたという。2022年7月、10年ぶりに復帰した日本代表でE-1選手権第3戦の韓国戦、右膝前十字靭帯断裂の大けがを負った時だ。しかし、翻意する。現役続行、何としても日産スタジアムのピッチに戻るんだと、そういう気持ちにさせたのはマリノスサポーターとチームメイトだった。「今回本当にマリノスサポーター含め、自分のサポーター含め、本当に皆さんが待っててくれたので、その思いに応えたいっていうところで、間違いなく自分の意志だけでは戻ってこれなかったですし、若い時は自分のプライドとか、このままで終われないっていう意地みたいなところで復活してきましたけど、今回に限って本当にいろんな人の力を借りて、ファン無くしては、サポーター無くしてはまた戻ってこれなかったのかなという風には思います。」

それは本当に感動的なシーンだった。E1選手権終了直後、リーグが再開されたホームでのアントラーズ戦。日産スタジアムには「トリコロールの宮市亮、再びピッチで輝け、待ってるぞ」という巨大横断幕が掲げられていた。試合前には選手全員、宮市選手の背番号のユニフォーム着て、アップをした。実は僕は豊田スタジアムで宮市選手が大けがした試合を取材していた。10年ぶりに代表に戻ってくるまでの苦難の連続を知っていただけに、その過酷な運命に泣きそうになった。そんなおセンチな僕はアントラーズ戦の横断幕とピッチの選手を見て、本当に泣けてきた。「ああマリノスっていいチームだな。宮市選手はこんなにチームメイトとサポーターから愛されて、本当に幸せな選手だと。」

宮市選手も心を大きく動かされていた。

サッカーの神様は宮市選手に特別な才能を与えた一方で、こんなにも試練を与えるのかと思うほどの試練を与えた。ここまでは思い描いたサクセスストーリーとは全く違うサッカー人生だったと思う。ご本人が一番悔しく、辛かったと思う。しかし、苦労を重ねた分、人間的な深みという他のアスリートにはないものも持つことになった。一つ一つの言葉が味わい深い宮市選手に「今、人生の苦難に直面して思い悩んでいる人に何か言葉を贈るとしたら何と言いますか?」と尋ねた。答えは「落ち込んでいる時が一番底。必ずいい未来が待っているそう信じて欲しい。」

見た目のスマートさとは反対に誰よりも苦労してきた宮市選手。そのことを誰もが知っている。そして誰もが、宮市選手が歯を食いしばって過酷な運命に負けなかったことを知っている。「彼も頑張っている」そう誰もが思える宮市亮選手は紛れもないスポーツヒーローだった。

              モリタニブンペイ

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