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競泳日本代表・塩浦慎理選手

日本の競泳自由形短距離の定説に挑む!

目立ちたがり屋、塩浦慎理選手の目標はメダルを家族にかけてあげる事。

長く体格に劣る日本人は自由形短距離では欧米人に勝てないと言われてきた。塩浦慎理選手はその定説を覆すべく挑戦を続けている。実際には、塩浦選手もバタフライや200メートル自由形への転向を進められたこともあったという。でも「最初の誰が第一歩を踏み出すかみたいなところを僕はやりたかったんです。」と自由形短距離に拘り続けた。モヒカンがトレードマークの塩浦選手は目立ちたがり屋なのだ。

「僕はやっぱり速く泳ぐ人が一番格好いいと思う。例えば国際大会に1000人水泳選手が参加していても、その中でも俺より速い選手はもう後何人いるんだぐらいの感じの感覚なんですよ。いろんな種目の世界チャンピオンとかいても、俺のが泳ぐの速いしな。会場の中で一番速く泳げるのが50かなみたいな。」この尺度でいうと、塩浦選手は世界でかっこいい人、ベスト10入り間違いない。

目立つために、塩浦選手は世界で勝負するための泳ぎを追求し続けている。気付きは2019年の日本記録で優勝した日本選手権前の闘病が切っ掛け。それまで外国人に勝つためにパワー重視で筋肉量を増やす強度の強いウエイトトレーニングをしていた頃は、泳いでいる時の数値にした抵抗が大きかった。それが闘病で筋肉が落ち、体重も落ちた時に、力は入らないけど力を抜きながら抵抗少なく泳ぐことを思い出したというのだ。そこから力の発揮具合と抵抗とバランスを追求し続けている。

最高のバランスで泳いでいる時の感覚は全く違うのだそうだ。「分かるんですよね。今日速いなっていうのが。手に水が引っかかる感じとか、手に水が当たる感じがもう全然違うんですよ。後、体の、水面に対しての体の高さ。いつもより5ミリ水面に浮いているとか、たぶんそれぐらいの差だと思うんですけど、それが全然違ったりとか。」ちょっと話が高次元過ぎて、常人の僕には理解しがたかったが、それがどれほど凄い事なのかは話す塩浦選手の喜々とした表情で分かった。

今、塩浦選手の一番のモチベーションはご家族の存在だ。奥様はタレントのおのののかさん。奥様は結婚前からアスリートフードマイスターの資格を取って全面サポートしてくれる強い味方。そしてもうひとり、最近、家にあるメダルを首にかけて遊んでいるお子さん。お子さんはパリオリンピックの時3才直前。最初の記憶がある年頃に差し掛かる。「子供にも格好いいところはもちろん見せたい。」という目立ちがりやの塩浦選手が奥様とお子さんにメダルをかけてあげる姿が見たいものだ。その時、日本水泳界の常識も変わる。それこそ目立ちたがり屋、塩浦慎理選手の面目躍如である。  

             モリタニブンペイ

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