競泳日本代表・瀬戸大也選手
- moritani5
- Jul 2, 2023
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Updated: Jul 2, 2023
他の誰とも違う金メダルへ!頑張れ、瀬戸大也選手!!

「オリンピックって何なんだろうっていう風なところまで思ってしまった。」
もし2020年に東京オリンピックが予定通り開催されていたら、瀬戸大也選手は間違いなく金メダル3個獲れていたと思う。それが1年延期。それこそ人生のほとんどを賭けて、節制もし、4年計画で積み上げてきたものを、反故にされる。それで、張りつめていたものが切れてしまうのも理解できる。その中での自身の不祥事による活動停止。1年後の大会でメダルには届かず、失意の中で東京を後にする。そのことに瀬戸選手は一切言い訳も、不満も言わなかった。いや言えなかったのだと思う。目指すべきものだったオリンピックに疑問を感じる、それは瀬戸選手の半生を自身で否定することにもなる。瀬戸大也とは何者なのか、自分はどこを目指すべきなのか、瀬戸選手が味わったどん底は僕らが想像するよりもはるかに深く暗い闇の底だった。
インタビュー中、瀬戸選手は「人間としての成長」と言う言葉を何度も口にした。もちろん、彼自身の大きな反省から出てきている言葉だ。当初、競泳選手・瀬戸大也に求められていたのは誰よりも速く泳いで、かっこよく手を振る姿だった。しかし、金メダル確実な東京の顔になっていくにつれ、完璧な人間であることを、世間は求めていた。速く泳ぐことと、完璧な人間性は全く別物だ。その事を誰よりも分かっているからこそ、こう言った。「ギラギラしてて、もうとにかく結果出せばいいんでしょっていう、悪かった、けど速かった自分にけじめをつけたいっていうのが、凄く強い想いで。あの頃の自分を早く超えて、もうあの俺とは違うんだって自分にも言い聞かせて、後はもう昇り詰めるだけだっていう風な思いでパリまでやりたいです。」
もちろん瀬戸選手の目標はパリオリンピックでの金メダルだ。ただ以前とは金メダルに対する考え方も変わってきている。「金メダルを目指す道のりの中で自分はたくさんいろんなこと経験させてもらっているので、その中で自分の人生の、これからの人生どういう風な考えをしたらいいかってできるようになったことが凄く幸せで、それで自分の最後の夢を勝ち取った時にどんな思いになるのかなって。」
パリの金メダル獲得には、もう一つの意味が加えられていた。家族との時間を削って指導している加藤コーチやマネージャーの大谷さん、さらには瀬戸選手を応援したいと集まった人達への恩返し、そして家族への想いだ。誰よりも速く泳いだ自分へのご褒美ではない金メダル。瀬戸選手がオリンピックって本当に良いもんだと心の底から思える、そんな日が来ることを願わずにはいられない。頑張れ!瀬戸大也!!
モリタニブンペイ
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