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陸上女子100mH 福部真子選手登場!

精神の安定が生んだ好循環と好記録

肯定感いっぱいの元天才少女・福部真子選手はパリでのメダルも夢じゃない‼

9月25日、岐阜市で行われた陸上の全日本実業団選手権の女子100メートルハードルで、福部真子選手が7月のオレゴン世界陸上で打ち立てた自身の日本記録を100分の9秒更新する12秒73の日本新記録をマークして優勝した。好調の理由を尋ねると、一番は精神面の安定だという。精神的に安定しているから、練習も質も違うし、試合に挑む時の気持ちも違うと好循環を生んでいるのだそうだ。逆を返せば、今まで、精神的安定が無かったということだ。

福部真子選手は現在27才。高校時代、インターハイで3連覇し、天才少女と呼ばれた。陸上関係者の誰もが、明るい未来を信じて疑わなかった。しかし、日体大入学後

福部選手の記録は伸び悩むことになった。その時期を振り返って、「結果を出さないと自分自身を否定されるって怖かったですね。今までミックスゾーンに行ったら記者の方達がバーっと自分の周りに来てたのが全く来なくなって、人の怖さを凄く感じた。」という。

福部選手の気持ちを傷つけ、悩ませたのは人だったが、救ったのも人だった。そのひとりは、同じ100メートルハードルのライバル、寺田明日香選手。「社会人になってコロナが一番ひどかった時、ちょっともう陸上から離れようかなって思った時に、寺田選手に話を聞いてもらってすごい気持ちが軽くなって、で広島に帰ってやるって決めて、その広島に帰るまでの期間に何回か練習行かせてもらって、その後も合宿に参加させてもらったりと、凄く面倒見ていただいて。」と福部選手の口からは寺田選手への感謝の言葉が続いた。寺田選手がライバル福部選手に手を差し伸べた背景には、勿論の元来の優しさもあるが、寺田選手自身、一度引退して競技を離れ、戻ってきた経歴も関係していると思う。福部選手の挫折、苦悩、孤独を一番理解出来たのが、元祖天才少女の寺田選手だったのではないだろうか。

福部選手は天才少女と呼ばれながら、伸び悩んだ時期を振り返って「今はあの経験があって良かったなと思ってます。」と言った。精神的な安定が生んだ好循環と好記録。今シーズン福部選手は自己ベストを半年足らずで0.4秒も更新した。記録更新の幅とスピードは、驚異の一言だ。この記録の差を福部選手に伺うと、「背中を見ながら走っている」ぐらいの差だそうだ。もし、この成長スピードでこのまま行けば、パリオリンピックのメダルも夢ではない。頑張れ、福部真子選手!

                   モリタニブンペイ

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