注目!川崎ブレイブサンダース長谷川技選手のディフェンスの読む力と新チームの走るバスケットボール!!
Bリーグ川崎ブレイブサンダース・長谷川技選手、技と書いてタクミと読ませる。名が体を表す如く、名がプレースタイルを表している。得点やアシストのように数字には表れないが、いなくなるとその存在の大きさがわかる守備の達人、ワザ師である。
そのルーツはバスケットボールを全員やる4兄弟の遊びの中にあった。末っ子の長谷川選手が190センチで一番小さいという高身長のお兄さん3人も全員がバスケットボールをプレー。『THE FIRST SLAM DUNK』の宮城リョータと宮城ソータよろしく、何も勝てないお兄さん相手に朝から夕方暗くなるまで毎日バスケットボールに明け暮れ、高さで勝てない代わりに技で対抗しようとしていたのだという。お兄さんたちを相手に磨いたスキルは、兄弟で唯一名門能代工業からのスカウトという形に結びつく。
そして進んだ能代工業、対人練習ばかりというのは聞いたことあるが、対人練習がほとんどないというのはかなりレアなのではないだろうか。5対0、2対0、どこが一番危ないのか、相手がどこを狙っているのか、パスの先はどっちなのかを想像しながらの練習。シャドーボクシングは自分ひとりで相手をイメージするが、能代工の練習ではチームメイト全員と相手のフォーメーションや動きのイメージを完全にシンクロさせたうえで、自分たちのコンビネーションも完成させる。これは相当高度なことだと思う。この練習で相手の考えや動き、弱点を読むということを身に着けたことが、現在のエースキラーとしてのディフェンスにも生きているというわけだ。
素人には分かりにくいディフェンスを見てバスケットボールを楽しむポイントを訊くと、「相手がボール持っているディフェンスも大事ですけど、ボール無い時のポジショニング、ボール持たれてない時のポジショニングを見て、絶妙なところにいるな、長谷川、みたいな、そんな感じで分かってくれれば。」と長谷川選手。ボールを目で追っているうちはディフェンスの通には成れないのだ。
昨シーズン、チャンピオンシップ進出を逃した川崎は今シーズン、過去にチェコ代表の監督も務めたロネン・ギンズブルグヘッドコーチを迎え、メンバーも大きく入れ替わった。新ヘッドコーチからは「33番長谷川と7番篠山はもっと走れる。」と言われているという。ガラッと変わって新たなチームとなる川崎がどんなバスケットボールを見せてくれるのか、走る長谷川選手に注目しながら楽しみにしたい。
モリタニブンペイ