スポーツジャーナリスト、佐藤俊とモリタニブンペイが、毎回、旬なアスリートにインタビューするスポーツドキュメンタリー。
強みは機動力と取材力。長年、野球、サッカー、バスケットボール、陸上、水泳、卓球など幅広く取材を続けてきた
二人のノウハウと人脈を生かし、スポーツの本質に迫ります。
ケガや挫折、様々な苦難をものともせず挑戦を続け、夢を追い続けるスポーツヒーローの姿通じて、
リスナーの皆さんに元気と勇気をお届けしたいと思います

ウルフ・アロンの人生を中学担任の言葉が変えた。東京五輪で金メダル獲得へ勝つよりも 「負けない柔道」を目指す

ウルフ・アロン選手は柔道を明るく

軽やかなものに変換する

ニュー・ヒーローだ!


ウルフ・アロン選手の言葉は明るい。そこには金メダルを宿命づけられた日本のお家芸、柔道日本代表の悲壮感はない。ロンドンオリンピックで穴井隆将選手が、「勝てなくてすみません」と号泣する姿を見て、僕の中に刷り込まれた想像を超えるほどのプレッシャーも感じられない。

もちろんウルフ選手も金メダルを目指している。「やるからには一番を目指さないと意味がない。でもそこでプレッシャーを感じることはない。」その言葉にあるのは明るさだ。意識してか、無意識にかウルフ選手は、全てちょっとだけプラスの言葉を選んで話す。「柔道選手として、柔道が出来た日本で行われるオリンピックに出られることは、僕の人生で1回きりしかないですし、僕自身の運もいいのかって思っているので」。柔道の母国、自国開催を運がいい。オリンピックの1年延期も「中止じゃなく、延期になったのが大きかった。1年後に延びたのでケガをした僕には大きかった。」確かに右膝半月板損傷の回復には良かったかもしれないが、その間満足な練習も実践も出来なかったのに、言葉になって出てくるのはいい面だけだ。

子供の頃「白人で肌がしろかったんで、白豚と書いてはハクトンと呼ばれていました。」これ、今ならいじめとして大問題になりそうだが、「外国人で特別感があっていいかと思っていました。」とデリケートな問題を創造したこちらが反省してしまう明るい脳内変換だ。

名前がカタカナと出たが、ウルフ・アロン選手がメダルを獲ると、日本人で初めて姓名全てカタカナのメダリストとなりますがと話を振ると、(過去にはセーリングの木下アーリア選手や柔道のベイカー茉秋選手がいる)「歴史に名を刻むということでかなり特別なことだとおもいます。僕自身が全日本で優勝した時も僕が初めてのカタカナの優勝者だったので、日本の柔道界をカタカナで染めていきたいと思います。」と軽やかに返された。

ウルフ選手曰く、「スポーツヒーローとは、スポーツの結果だけでなく、日常から周りを笑顔にできる人のことだと思う。」インタビューの間中、ずっと僕は笑顔、声を出して笑っていた気がする。「金メダルを決めた決勝の後で試合会場にミスチルの『Replay』が流れ、オーロラビジョンに試合のリプレイが流れる」。その時、柔道のイメージを少し軽やかにするヒーローが誕生する。早く、その瞬間が見たいものだ。

                 モリタニブンペイ 

佐藤俊

モリタニブンペイ

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柔道女子48キロ級 渡名喜風南選手

相模原市緑区出身の25歳。

お父さんの影響で総合格闘技が好きになり、

小学校三年生の時に知人の紹介で相武館吉田道場を見学すると、「やりたい」と直感。

その日のうちに柔道着を着て、練習に参加していたという逸話もある。子供の頃はボーイッシュな短髪を男子にからかわれるとすぐに向かっていく「少しけんかっ早い少女」で、

しかも「勝つまでやめなかった」という生来の負けず嫌い。遂には世界の頂点も極めた負けず嫌いを発揮して、相模原市から、初の金メダル獲得が期待される柔道家です。

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