サッカーに溢れている環境で育った清水梨紗選手
7月のワールドカップ、なでしこを再び世界の頂点へ!
「サッカーに溢れている」
ウエストハム・ユナイテッドFC・ウィメン所属の清水梨紗選手は移籍後、イングランドでの環境について、こう表現した。何て素敵な言葉だ。しかし、清水選手の話を聞いて、彼女の周りにはいつもサッカーが溢れていた。
なでしこの純粋培養のような清水選手は澤穂希さん、宮間あやさんといったなでしこジャパンのレジェンドを輩出した日テレ・メニーナ育ち。「メニーナでは中学1年生から高校3年生まで同じチームで活動しているので、本当に小学生上がりたての人と大学生になる直前の人が対決というか、そういう環境の中で出来てたのは凄く自分にとって良かったのかなと思います。」。現在の代表でも約半数がメニーナ育ち、その理由が垣間見える。
「自分がヴェルディで育って感じたことは東京ヴェルディもベレーザ、メニーナは大きな一つのファミリーで、例えば男性のアカデミーを見ているコーチからのアドバイス貰える環境だったり、グランドに出れば誰かがサッカーしていて、見るのも勉強になりますし、そこで知り合った選手を応援して違う所に見に行ったりだとか、そういうサッカーに触れ合う時間っていうのは凄く多かったのかなと思います。」清水選手の話を聞いて、かつて僕がヴェルディに毎週、取材で通っていた頃を思い出した。そこには日本の部活動とは全く違うクラブチームのサッカー文化があった。あの頃、クラブハウスにはラモスさんがいて、カズがいて、澤さんがいた。ボールは友達という、いくつになってもサッカー少年、少女、そんな一人が清水選手なのだ。
そして今、サッカー少女、清水選手は移籍したイングランドで純粋にサッカーを楽しんでいた。「本当凄い激しい環境の中でサッカー出来ていることは凄い幸せだなと思います。」メニーナに中1で入った時と高3の選手相手に感じたのと同じ「激しさ」が何よりもうれしいのだろう。
今年7月、オーストラリアとニュージーランドでワールドカップが開催される。イングランドで再びプリミティブな喜びの中での日々の成長をなでしこに還元してほしい。そして澤さんや宮間さん、メニーナ育ちが2011年に輝いたように金色のトロフィーを清水選手にも掲げてほしいものだ。
モリタニブンペイ